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高性能住宅とは?定義・基準

高性能住宅とは、断熱性や気密性、耐震性など、さまざまな性能が高く保たれた住宅を指します。
ただし、「これが高性能住宅」だと明確に定義されているわけではありません。
これらの性能は、快適で健康的な暮らしを実現し、光熱費の削減に貢献するだけでなく、環境にも配慮して設計されています。
定義や基準は多岐にわたりますが、住宅全体が一定の数値や性能を満たしていることが求められます。
以下では、高性能住宅を構成する主な性能について詳しく解説します。
高断熱性(断熱性能)
高断熱性とは、住宅全体の断熱性能を高め、外部からの熱の侵入や内部の熱の流出を抑えることを意味します。
断熱性能を示す指標には「Ua値(外皮平均熱貫流率)」が使用され、数値が小さいほど断熱性が高いとされます。
高断熱性がある住宅では、冬は暖かく夏は涼しい室内環境が保たれるため、冷暖房エネルギーを大幅に削減できます。その結果、快適さを得られるだけでなく、光熱費を節約しやすくなります。
高気密性(気密性能)
高気密性とは、住宅内の隙間を極限まで減らし、空気の漏れを防ぐ性能を指します。
「C値(相当隙間面積)」という指標がこれを表しており、C値が小さいほど気密性が高いとされています。
高気密な住宅では暖房や冷房された空気が外に逃げにくいため、室内の温度が安定します。
また、外部からのほこりや花粉、騒音が侵入しにくいため、健康的で静かな住環境を提供します。
計画換気(換気性能)
高性能住宅には「計画換気」が欠かせません。
計画換気とは、住宅内の空気を一定の速度で入れ替えるシステムのことです。
高気密・高断熱な住宅では密閉性が高まるため、適切な換気がなければ室内の湿度や二酸化炭素濃度が上昇し、健康を害する可能性があります。
高性能住宅では専用の換気システムを導入し、効率よく室内空気を入れ替えることが推奨されます。
高耐震性(耐震性能)
高耐震性は、地震の揺れに対する耐性を高め、住宅が倒壊や被害を受けにくくする性能を指します。
高性能住宅では、耐震性を法律で定められた「耐震等級」に基づいて評価します。
日本は地震の多い地域であるため、耐震等級が高い住宅は命を守る安全性に加え、長期間安心して暮らせる頼もしい選択肢となります。
高耐久性(耐久性能)
高耐久性とは、住宅を長期間にわたって快適に使用できるようにする性能を指します。
建物が長持ちすることで、修繕費や将来的な建て替えなどのコストを抑えることができます。
また、高断熱性や高気密性と組み合わせることで、建材の劣化を抑え、長期的な品質を維持します。耐久性が高い住宅は、次世代に資産を引き継ぐ際にもおすすめできる選択といえるでしょう。
高性能住宅のメリット

光熱費が安くなるだけではありません。
高性能住宅には、日々の暮らしを豊かにするたくさんのメリットがあります。
一年中続く快適さや家族の健康、さらには家の資産価値まで。
その具体的なメリットを詳しくご紹介します。
快適で健康的な室内環境
高性能住宅とは、断熱性や気密性といった基本性能が高い住宅のことを指します。
その結果、外気の影響を受けにくい安定した室内環境を実現します。
夏は涼しく冬は暖かい快適な居住空間を保つことができ、気温差によるストレスが軽減されるため、健康的に過ごせる点も大きなメリットの一つです。
特に高齢者や小さなお子さまがいる家庭にはおすすめです。
経済的なメリットが大きい
高性能住宅は高い断熱性能や気密性を有しているため、冷暖房効率が非常に優れています。
その結果、光熱費を削減しエネルギーコストを抑えることが可能です。
また、省エネ性能が重視される現在、エネルギー効率の良い住宅として国や地方自治体の補助金や優遇措置を受けやすくなる点も、経済的なメリットとして挙げられます。
家が長持ちする
高性能住宅では、高い気密性や断熱性が施工段階から重視されます。
そのため壁内結露が発生しにくく、建材の劣化を防ぎやすい特徴があります。
また、耐久性に優れた資材や構造が採用されていることが多く、30年、40年以上といった長期間にわたって住まいの性能を維持しやすいのが魅力です。
補助金や税制優遇を受けられる
高性能住宅は、省エネ性能や断熱性能が一定の基準を満たしている場合、各地方自治体や国の補助金制度の対象となる可能性があります。
長期優良住宅や認定低炭素住宅として認められる場合、税制優遇が受けられることもありますので、経済的負担を軽減したい方には非常におすすめです。
高性能住宅のデメリット

多くのメリットがある高性能住宅ですが、もちろん注意すべき点もあります。
特に、建築コストや設計・施工で求められる技術力など、計画段階で知っておくべきデメリットを解説します。
初期費用(建築コスト)が高い
高性能住宅は高い断熱性能や気密性能を実現するため、一般的な住宅よりも初期費用が高くなる場合があります。
これには、高性能な断熱材や窓、精密な施工技術が必要なためです。
しかし、初期投資が高い一方で、長期的な光熱費削減や維持費低減といった経済的なメリットが得られるため、トータルでのコストパフォーマンスを考慮することが重要です。
対応できる住宅会社が限られる
高性能住宅を手掛けるためには、性能基準や施工技術に精通した住宅会社が必要です。
しかし、すべての建築会社が高性能住宅の設計や施工に対応しているわけではありません。
そのため、家づくりにおいて実績が豊富で信頼できる会社を選ぶことが大切です。
高性能住宅を希望する場合は、適した住宅会社を事前にリサーチすることをおすすめします。
設計・間取りに一定の制約が出ることがある
高性能住宅では、気密性や断熱性を確保するため、設計や間取りに一定の制約が出る場合があります。
たとえば、大きな開口部を持つデザインや複雑な形状にすると性能が低下するリスクがあるため、設計段階で細心の注意が必要です。
そのため、住まいのデザイン性と性能を両立させるためには、設計士や住宅会社と綿密な協議が求められます。
暮らし方への理解とメンテナンスが必要
高性能住宅では、常に一定の室内環境を保つため、住む人自身が住宅の性能を理解し、適切に使用することが求められます。
たとえば、計画換気システムを停止すると性能が生かされなくなる場合があるため、日常の管理が必要です。
また、メンテナンスや定期点検についても計画的に実施することが、住宅を長持ちさせるポイントとなります。
夏は暑くなる可能性がある
高断熱・高気密な住宅は冬に暖かい反面、夏には外部の熱が篭りやすくなる可能性があります。
断熱性能を高めることで冷暖房効率を上げる一方で、夏季の日射遮断や換気システムの活用が不可欠です。
設計段階で遮熱性能や日射対策をしっかり計画し、快適な住環境を維持できるよう配慮することが重要です。
注文住宅で高性能住宅を選ぶ際のポイント

「高性能」と謳っていても、そのレベルは様々です。
後悔しないためには、何を基準に選べば良いのでしょうか。
ここでは、信頼できる住宅会社を見極め、本当に性能の高い家を建てるために、必ず押さえておくべき重要なポイントを解説します。
初期費用とランニングコストの「トータルコスト」で判断する
高性能住宅を選ぶ際には、建築時の初期費用だけでなく、その後のランニングコストを含めた「トータルコスト」で判断することが重要です。
高い断熱性能や気密性能を備えた住宅は冷暖房効率が良くなるため、光熱費の削減につながり、長期的には経済的負担が軽減されます。
「最小限の投資で最大のコストパフォーマンスを得る」という考え方が、後悔のない選択につながります。
「性能」への理解と実績が豊富な住宅会社を選ぶ
高性能住宅の建築を検討する際には、住宅性能についてしっかりと理解し、その分野で実績のある住宅会社を選ぶことが大切です。
断熱や気密に関する基準や具体的な数値目標(Ua値やC値など)を説明できる会社は信頼性が高いといえます。
また、こうした数値を明確に示せる会社は、住まいづくりにおける透明性も確保されています。
数値目標を明確に設定し、性能を「見える化」する
高性能住宅を選ぶにあたり、Ua値やC値など、住宅性能に関する具体的な目標値を設定することが重要です。
また、それらの性能を「見える化」する取り組みをしている住宅会社を選ぶと、完成後の住環境に対する安心感が得られます。
「見える化」によって、住宅が実際に基準を満たしていることが確認できるため、高性能住宅としての信頼性が高まります。
断熱・気密だけでなく、「換気」と「日射」もセットで考える
高性能住宅を実現するには、断熱性や気密性だけに注目するのではなく、換気性能や日射のコントロールも含めて検討することが大切です。
計画換気の工夫により、部屋の空気が常に清潔に保たれます。
また、日射の取り入れ方に配慮することで、冬は日射を活かした暖房効果を、夏は日除けを活用した冷房効率の向上が期待できます。
このように多角的に性能を考えた設計が、より快適で効率的な住環境を生み出します。
「窓」は性能を最も左右する重要パーツと心得る
高性能住宅において、窓は住宅性能を大きく左右する重要なパーツです。
窓の断熱性能や気密性が低いと、全体の性能が著しく損なわれる可能性があります。
そのため、高断熱・高気密窓や複層ガラス、樹脂フレームなど、性能が高い素材や製品を選ぶことが推奨されます。
また、窓の配置や大きさ、日射の取り入れ方も設計段階で慎重に検討する必要があります。
高性能住宅に関連するよくある質問
高性能住宅について、よく寄せられる質問をまとめました。
家づくりの計画を進める上で、ぜひ知っておきたいポイントばかりです。
疑問点を解消し、自信を持って家づくりを進めるためにお役立てください。
長期優良住宅とはなんですか?
長期優良住宅とは、文字通り長期間にわたって良好な状態で住み続けられる住宅のことを指します。
この制度は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づき、高い耐久性や省エネルギー性能を持つ住宅を認定するものです。
高気密住宅にゴキブリはどこから入ってきますか?
高気密住宅は隙間を極力減らし、高い気密性能を実現しているため、ゴキブリなどの害虫が入りにくいとされています。
しかし、それでも完全に侵入を防ぐことは難しく、たとえば玄関や窓の開閉時、換気ダクトや給排気口の隙間からゴキブリが入り込む可能性があります。
高気密住宅はカビが生えやすい?
高気密住宅は外気に漏れや隙間が少なく、高い断熱性能を持つため、湿度や温度が適切に管理されていればカビが生えにくい特徴があります。
ただし、湿度が高くなりすぎると、換気不足の場合は逆にカビが発生するリスクもあります。
高気密住宅の欠点は何ですか?
高気密住宅の欠点としては、主に以下の点が挙げられます。
設計時や建築における高度な技術が求められるため、初期費用が高い傾向にあります。
次に、換気性能を正しく活用しないと、室内の湿度が上がりすぎたり、空気が淀んでしまうことがある点も課題です。
また、完全に密閉されているわけではないため、小さな隙間から害虫が侵入する可能性があります。
高性能住宅を選ぶならセキスイハイム中四国
セキスイハイム中四国は、住宅性能に対する高い基準をクリアしており、断熱性能や気密性能を重視した設計を提供しています。また、家づくりの大半を工場で行うユニット工法を採用していますので設計通りの性能を建築現場で実現することが可能です。お引渡し前には必ず、性能測定(気密、床遮音、ホルムアルデヒド濃度)を行い、当社基準をクリアしているか検査しますので安心してお住まいいただけます。
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