目次
そもそも断熱等級とは?
断熱等級とは、その住宅がどれくらい外の暑さや寒さの影響を受けにくいか、つまり「断熱性能」を国が定めた基準でランク付けしたものです。
正式名称を「断熱等性能等級」といい、等級の数字が大きいほど、夏は涼しく冬は暖かい、省エネ性能の高い家であることを示します。
これは、家の性能を客観的に比較するための「ものさし」のようなもので、光熱費の安さや暮らしの快適さに直結する、家づくりで非常に重要な指標です。
断熱等級6とは?

2022年に新設され、これからの家づくりの新基準となりつつある「断熱等級6」。
国のZEH(ゼッチ)基準にも相当するこの高い性能は、具体的にどんな家なのでしょうか。ここでは、断熱等級6の定義や基準を解説します。
断熱等級6とは、住宅の断熱性能を示す指標の一つで、2022年に新設された基準です。
断熱等級6の定義
等級の数値は大きいほど断熱性能が高いことを意味し、等級6は「HEAT20 G2」相当の高い断熱性能を持つレベルとして位置づけられています。
この等級は、国の省エネ政策に基づくもので、カーボンニュートラルを目指した省エネルギー住宅の実現を推進する目的で設定されました。
断熱等級6の基準
断熱等級6の基準は、主に住宅の外皮(壁、床、屋根、窓など)がどれほど断熱効果を持つかを示す「UA値(外皮平均熱貫流率)」で規定されています。
具体的には、等級6のUA値の目安は0.46であり、これは住宅内外での熱の損失や獲得を大幅に抑えられる性能を有することを意味します。
また、冷房時の効率を示す「ηAC値」にも対応しており、総合的に見て冷暖房エネルギーを大きく削減できます。
この基準は「平成28年省エネ基準」の約30%の性能向上を目指して設計されています。
断熱等級6の住宅性能・効果
断熱等級6の住宅性能は、室内の快適な住環境を維持しながら省エネ効果を最大限発揮できる点にあります。
この仕様を備えた住宅では、冬季でも室温が13℃を下回らず、冷暖房にかかるエネルギーが大幅に削減されるとされています。
また、断熱性能が高いことで外気の影響を受けにくく、夏の暑さや冬の寒さにも強い住宅となります。
これにより、住む人の健康を守り、光熱費の削減につながるのが大きなポイントです。
さらに、省エネ性能の高さから、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準にも適合しやすく、環境負荷の低減にも寄与します。
断熱等級6のメリット

光熱費が安くなるだけじゃない。断熱等級6には、日々の暮らしを豊かにするたくさんのメリットがあります。
一年中続く快適さや、家族の健康、さらには家の資産価値まで。その具体的なメリットを詳しくご紹介します。
圧倒的に快適な室温環境
断熱等級6の住宅は、高い断熱性能を備えているため、冬でも室温が13℃を下回ることがほとんどありません。
また、夏場は外気の暑さを遮断し、冷房の効率を高めることで快適な室内環境を実現します。
断熱性能が優れていることで、外気の影響を受けにくく、一年を通じて室内の温度差が少なくなります。
これにより、住まい全体で均一な温度を維持でき、極端な寒暖差を感じることなく快適に過ごせます。
光熱費を大幅に削減できる
断熱等級6の家は、外気温の影響を受けにくいため、冷暖房の効率が飛躍的に向上します。
夏はエアコンの涼しさが、冬は暖房の暖かさが外に逃げにくく、一度快適な室温になるとその状態が長く続きます。
そのため、エアコンの使用頻度や設定温度を抑えることができ、月々の光熱費を大幅に削減できます。
一般的な省エネ基準の住宅に比べ、冷暖房にかかるエネルギー消費量を約30%も削減できるとされています。
家と人の健康を守れる
断熱性能が優れた住宅では、室内の寒暖差が少なく、ヒートショックや熱中症など健康へのリスクを低減できます。
特に冬の寒い時期に暖かい室内を保てることは、高齢者や子どもなど体温調節機能が弱い人にも安心です。
また、室内の結露を防ぐことで、カビやダニの発生を抑え、アレルギー症状や呼吸器系の健康被害から家族を守ることが可能です。
高い資産価値を維持できる
断熱等級6を満たす住宅は、高い仕様基準を達成しているため、住宅市場においても高い評価を受けやすくなります。
特に、省エネ性能や高品質な注文住宅が求められている昨今では、断熱等級6の住宅は市場での競争力が高い資産となります。
また、将来的に国の基準が引き上げられた場合でも、断熱等級6の性能を備えている住宅は新たな基準に対応するための改修費用を抑えられる可能性があります。
断熱等級6のデメリット

多くのメリットがある断熱等級6ですが、もちろん注意すべき点もあります。
特に、建築コストや設計・施工で求められる技術力など、事前に知っておくべきデメリットを解説します。
初期費用(建築コスト)が高くなる
断熱等級6の住宅を建築するには、高性能の断熱材や高品質の窓ガラスなどの設備を導入する必要があります。
そのため、注文住宅を選択する際の初期費用はどうしても上がる傾向があります。
特にUA値0.46以下という厳しい基準を満たすためには、従来の省エネ基準を超える仕様の建材や施工技術が求められる点が課題です。このコスト負担を考慮することが重要です。
高度な設計・施工技術が求められる
断熱等級6では住宅全体の気密性や断熱性を高いレベルで確保することが必要です。
そのため、建築時には正確な設計だけでなく、高度な施工技術が欠かせません。
特に、断熱材や断熱シートの施工におけるミスが断熱性能の低下を引き起こす可能性があり、専門的な知識を持つ施工業者の選定が重要になります。
適切な換気計画が必須になる
断熱等級6の住宅は気密性能が非常に高いため、室内の空気がこもりやすいという特性があります。
このため、適切な換気計画と換気設備が不可欠です。
断熱性能が優れた住宅であっても、換気が不十分な場合、結露やカビの発生、さらには室内の空気質の悪化などの問題が生じる可能性があります。
省エネ性能と室内環境の両立を実現するためには、スムーズな空気の流れを意識した設計が求められます。
設計によっては夏場に室内が暑くなる(オーバーヒート)
断熱性を追求した結果、冬場の室温の保持には優れた性能を発揮しますが、設計次第では夏場に室内がオーバーヒートしてしまうケースもあります。
日射を適切にコントロールしないと、断熱性能が夏の直射日光の影響を受けて室内温度の上昇を引き起こす原因になります。
このため、窓の配置や庇(ひさし)の設置、遮熱性能の高い材料の採用など、夏も快適に過ごすための仕様を検討することが求められます。
断熱等級5・6・7の比較

断熱等級5・6・7は、住宅の断熱性能を示す基準であり、数字が大きくなるほど断熱性能が高く、省エネ性や快適性も向上します。
それぞれの等級は基準となるUA値(外皮平均熱貫流率)によって定義され、使用される断熱材や設計によって具体的な性能差が現れます。
以下に、それぞれの等級を比較した表を示します。
項目 | 断熱等級5 | 断熱等級6 | 断熱等級7 |
等級レベル | ZEH強化外皮レベル | ZEHレベル | HEAT20 G3レベル (最高等級) |
UA値の基準 (6地域) | 0.60以下 | 0.46以下 | 0.26以下 |
エネルギー削減率の目安 | 20%削減 | 30%削減 | 40%削減 |
性能・効果の目安 | 冬の最低室温が概ね10℃を下回らない | 冬の最低室温が概ね13℃を下回らない。少ない暖房で快適 | 冬の最低室温が概ね15℃を下回らない。ほぼ無暖房で過ごせる |
建築コスト | 標準よりやや高価 | 等級5より数十万~百数十万円UP | 等級6より百万円以上UP |
メリット | 快適性向上 / 光熱費削減 | 光熱費を大幅削減 / 年中快適 / 健康・高耐久 | ほぼ冷暖房不要 / 最高の快適性 / 高資産価値 |
デメリット | 上位等級より性能は見劣りする | 建築コストが高い / 高い技術力が必要 | 建築コストが非常に高額 / 対応業者が限定的 |
断熱等級の選択は、住宅の用途や地域、予算に応じて最適な等級を選ぶことが重要です。
特に省エネ性や住宅性能を重視する場合は、断熱等級6以上を検討することで、長く快適に暮らすことが可能となります。
断熱等級に関するよくある質問
断熱等級について考える上で浮かぶ様々な疑問があると思います。
ここでは、家づくりをされる皆様から寄せられる、よくある質問とその回答を分かりやすくご紹介します。
断熱等級6は快適ですか?
断熱等級は住宅の快適性を大きく左右します。
特に断熱等級6の住宅では、室内の温度変化が少なく、冬は暖かく、夏は過ごしやすい環境を実現できます。
断熱性能が高いことで、エアコンの利用頻度を減らすことができ、光熱費の削減にも繋がります。
断熱等級6の部屋はどのくらいの温度ですか?
断熱等級6に準拠した住宅では、冬場の室温が13℃を下回らないように設計されています。
この水準は、断熱性能を示すUA値が0.46以下に設定されており、室内の熱が外部に逃げにくい構造が特徴です。
断熱等級6にするにはどうすればいいですか?
断熱等級6の住宅を実現するためには、UA値0.46以下を達成する高性能な建材や設備を用いることが必要です。
たとえば、高断熱仕様の窓や外壁、天井、床の断熱材を採用することで、住宅全体の断熱性能を向上させることができます。
断熱等級6の性能評価は?
断熱等級6の性能評価は、住宅性能表示制度に基づいて行われます。
UA値0.46以下を目安とし、「HEAT20 G2」基準と同等の省エネ性能が求められています。
この評価基準をクリアした住宅は、断熱性能が高く、冷暖房エネルギー消費量を大幅に削減できる仕様となります。
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